一読十笑百吸千字万歩

健康ブームというものはいったいいつ始まったのだろうか。そもそも始まりはあったのか。それとも「健康に良い」とされる知識は上書き保存されるように消費者のなかで昔から常に新しく書き換えられ、グルグルと同じところをただ回り続けているだけなのだろうか。

もはや今となっては「健康に良い」という表現の曖昧さ怪しさ不可解さに気づいてその言葉を耳にする度にふと疑念や警戒心が頭を擡げるくらいのほうが健全といえるのかもしれない。それくらい、「健康に良い」というフレーズは巷に氾濫している。

 

さて、こんな前置きをしておきながらではあるけれども、しばしば耳にする健康に関する一文を載せておきたい。昨日、しばらく書いていなかったこのブログを再開したのは、ふとこの言葉を思い出したからである。

 

「一読十笑百吸千字万歩」

 

1日の生活のなかで、まとまった文章を一つは読み、十回は声を出して笑い、百回深呼吸をし、千字ほどの文章を書き、一万歩歩きましょう、というほどの意味である。

 

文章を読むことは、情報化社会の今となってはそれほど難しいことではない。

十回笑うというのは、人とのコミュニケーションについてのことと考えてよいだろう。テレビを観て笑うより、人と話し一緒に笑うほうが脳にとっても良いに決まっている。

深呼吸を百回行うというのは、例えば一時間に十回というのを目安にして分散させて行ったほうが良い。人間は30歳を過ぎたあたりから自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスが変化し始め、年齢を重ねるにしたがって交感神経優位となってしまう。睡眠の質が低下したり、疲労が抜けなくなったりするのもこれが原因の一つではないかと言われる。自律神経は読んで字のごとく独立・自律している神経であるため、私たちが意図的にコントロールすることがほぼ出来ない。深呼吸は自分で意図的に副交感神経にアプローチ出来る数少ない方法の一つであるという。

千字の文章を書くというのものなかなか難しい。千字には届かなくとも、毎日少しずつでも自分の考えたことを文章にすることは大切であろう。このようなことからブログを再開した次第である。読みにくいところもあろうかと思われるがお許しいただきたい。

1日に一万歩以上歩くと良い、ということは以前から言われていることだが、最近は一万歩は多過ぎて、かえって健康に悪いと指摘する人もいる。この「一万」というのはあくまでも目安で、自分の体力に応じて決めていけば良いのである。